ルパン三世 & something

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豪邸は平屋?パレス? 英訳版「源氏物語」 和洋の違いより

先頃放送されたEテレ「100分de名著 ウェイリー版 シャイニングプリンス」は、「源氏物語」をアーサー・ウェイリーが英訳、毬谷まりえさん、森山恵さん姉妹が日本語訳された(最終回の4回目に登場)ものに基づいている。
この4回シリーズは、この番組でよく登場され、名解説者として人気の(能楽師)安田登さんによって進められた。いつものように、MC伊集院光さんの豊かな光る感性も見どころだ!


そもそも光源氏を「シャイニング・プリンス」と英訳したこの本は、色々な単語を大胆に英語に置き換えているのが特徴だが、例えば、「〜邸」はパレス(palace)という単語で表現され、十二単はドレスと変換されている。
重い十二単姿では自由に歩き回れないし、歩くとしてもずるずると引きながら摺り足で行く歩行法では階段は無理なので、平屋でしかあり得ないが、ドレスと訳せば、2階以上の縦に長い建物のイメージの「パレス」でもモンダイないことになる。(若干、イメージは違ってくるが!)

思うに、こうした方が海外の人にとってわかり易くなると思う。
随所に大胆な訳が試みられても、肝心の人の心理などといった“イイタイコト”はちゃんと伝わっているので、ケースバイケースな訳としてむしろ合理的とも言えるのだ!

ウェイリーという人は、10数種類もの言語に精通、さらには一部の言語の古語も読めるというほどの言語の天才だった。その内には日本語の古語も含まれる。先述の翻訳者姉妹の指摘によると、ウェイリーのこの変換は、勝手に単純にやったものではなかったということだ。
平屋の屋敷と縦にも高いパレスの形態の違いなどはもちろん十に承知の上、色々な整合性を考えた上で相応しい単語に置き換える という離れ技をやってのけたのだった。言語の優れた才能のみならず、そういった判断力までも幾重にも優れた能力を感じる!


さて、賃貸か持ち家か?などの議論はよく聞く一方、豪邸というのは平屋なのかパレス風建物か? 和風?洋風?? 等々、建築に関するさまざまな命題がある!
建築資材モロモロにもよるが、土地価格が高い場所ならば平屋が贅沢ということになりそうだ‼︎

今、大河ドラマ「光る君へ」でお馴染みの平安時代藤原道長は、権力が一点集中!彼の総資産はダントツで、今の国家予算並みだったという。
春夏秋冬を模した離れに妻たちを住まわせた源氏物語光源氏邸さながら、道長邸もどこまでも横に広がる平屋で、たいそう贅を極めていたことだろう‼︎