ルパン三世 & something

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野獣の気づき 大岡奉行の名裁き! from ディズニー映画「美女と野獣」(実写版)


ディズニー映画実写版「美女と野獣」については、過去にいくつかのテーマでブログに上げた。その時は、善悪に振り分けた脚本はさておき、、という敢えて表層的なアプローチでちょっと面白く感想を綴ってみた。
だが今日は、真正面から芯を喰う考察を試みてみる!
(何度もクドくてごめんなさい!酔いが醒めなくてw)


本作で一番の感動シーンに、ベルを自由にして父親の元に向かわせる野獣が、ソロで歌い上げるシーンをあげる人もいる。
この映画を何度も回想していると、その気持ちはとても分かる気がする。
普通にわかりやすいハッピーエンドのシーン とか言うよりもむしろ!

魔女がなぜ野獣に酷な魔法をかけたのか?
その謎が一番解けるシーンでもあるからだ。


ではまず唐突に、江戸時代の名奉行・大岡裁きの話!
2人の女が子供の母親だと主張するので、本当の母親を決めるために子供を両手を片方ずつ2人の女に同時に引っ張らせる。子供を自分の方へ引っ張って取った方が母親とする と言って。
でも、名奉行の裁定は、痛くて泣き叫ぶ子供を見かねて引っ張るのをやめた女の方に軍配を上げた。本当の母親ならそうするであろうと。
これは伝説に過ぎないかもだが、大岡越前守の名裁きとして名高い話だ。

そう、野獣とガストンの差は、これではないかと思うのだ!

ガストンは、俺様と結婚しろしろとただただ高圧的で、熱意はあるにしても熱の矛先は実は自分だ。一方、野獣は、ベルのことを一番に思うが故、帰ってきて欲しいと願うもののその確証は無いまま、彼女を開放するのだった。


野獣は、人間だった子供の頃に封印してしまった優しい心を取り戻した。
こんな気づきの日が来ようとは。
大きな身体で腕力も強く外見は無敵の彼なのだが、その力やお金などではゲット出来ない、ただただ相手を想い信じることで手にできる「愛の力」に気づいた。
このことこそ、魔女のかけた魔法の意味が深く分かろうというものだ。

本当の幸せに気づく瞬間でもあり、苦しくも美しい場面である♡


映像的には、高い西の塔を野獣は歌いながら駆け上る。張り裂けんばかりの想いが溢れてじっとしてはいられないのだ。黄色いドレスに身を包んだベルが馬にまたがって駆け行くのを見遣りながら。遠くに去り行く馬のいななきが聞こえる、、
どっしりとした大きな体躯とは裏腹に、溢れる想いで心がのたうち回っている。
そのギャップに、一層胸打たれるシーンだ。

最後は塔の一番高いベランダで、想いが天に届けとばかり、真の王者の風格で♪ Evermore ♪ という心情あふれる曲を高らかに歌い上げる野獣。
続いてカメラがグッと引いていき、馬に乗ったベルが、城とは反対方向に駆け抜けていく。
歌声と伴奏が高まる最後に馬の蹄の音が響いてこのシーンは終わる。
カメラワーク、音響効果、、なんて感動的な演出だろう。

深い夜の地味な色合いの短いこのシーンは、魔法の核心に迫る重要な一幕だと思っている♡