ルパン三世 & something

ルパンを語って微笑みを届けたい  他にも気ままに綴ってます♡

城門打ちこわしの道具、破城槌! from ディズニー映画「美女と野獣」(実写版)

ガストン率いる村人達が、勇んで城へ野獣退治に行こうとする時の映像で、村の男達が数人で、建物正面の柱に埋め込まれた動物の頭を、ヒモでくくり、引っ張って取り外すシーンがある。何のため?
ベル側を応援する身としたら、彼らの流れるような一連の動きに、「何、この人たち張り切っちゃって」と忌々しい!
だが、彼らのあまりにも「常識」のようなこの動きに引っかかった。
そこで、いつもの凝り性発動で少し調べてみたw


まず、以前にも書いたように、中世ヨーロッパの村々は、なんせ囲まれる森にはオオカミ、さらには外からの急な襲撃で人間とも戦うことになるという緊張の中にいる。そして、時として逆にこちらが襲うこともあるのだ。
なので、戦闘を前にしたら、建物のそうした装飾は恰好の武器と化したのだろう。
これは城門突破のための「攻城兵器」の一つで「破城槌(はじょうつい)」と言うらしい。この映画の中で外されたこの動物の頭は何なのかはっきり見分けられなかったが、頭突きが得意な山羊の頭が破城槌の先頭には用いられることが多かったそうなので、多分あれは山羊 ということにしよう!ドイツでは、これを「シュトルムボック」と呼ぶらしい。尤も、本作では破城槌の柄の方は無くて、先端の頭なる部分だけを男どもが持って行ったけど。
城の扉の内側では、チェンバロたちが頑張って盾となり張り付いたが、この頭突きの突撃には敵わなかったね、、


村で、敢えてみすぼらしくしてさげすまれていたアガットは、ベルのパパを薬草で回復させた。でも、薬草の知識などが豊富な人は中世では怖がられていた、、魔女として。そう、中世は魔女狩りの世界でもあったのだ!
なので、ベルが魔法の鏡で野獣を見せ説得を図ったのも逆効果。村人たちにとって、獣なんて脅威でしかないし、ガストンのけしかけに乗るのも無理もない。全部裏目に出ちゃうよね。
アガットは実はホントの魔女なので平気だが、ベルはホントも人間なので捕まったらたまらないw
彼女の純粋さや一途さは、時として危ない危ない!


ヨーロッパの教会や古い建物の外壁によく見られるドラゴン他、謎のいかつい頭部の装飾は、総称、ガーゴイルという。一つには魔除けの意味もあるという。
本作でも、野獣の立派なお城のあちこちに、ガーゴイルがあったよ。
村の建物に飾られたあの山羊の頭もガーゴイルの一種なのだ。

ガストンが野獣と戦っている最中、「仕留めて、野獣の頭を我々の部屋に飾ろうじゃないか」なんてベルに言っていてゾッとした。
「とんでもない! ったく何言ってるんだ!」と思ったねw

めでたく野獣への魔法が解けた直後、城の尖塔周囲の尖った先に付いていた馬ペガサスの彫像までもが軍神マルスに変身した。
そんな細かい演出もステキだった。

全てが元に甦ったのだ。ホントに良かったね♡