6年前の秋、日本や東洋の美術品展示で有名な三井記念美術館(@日本橋)で開催された特別展「仏像の姿」を訪ねた時、大小の仏像が居並ぶ中、「不動明王半跏(はんか)像」という小さな仏像に魅せられた。不動明王といえばふつう憤怒(ふんぬ)の姿を想い起こされると思うが、その像は、なんと泣いていた。こういう不動明王は初めて見る。「私達人間って不動明王を泣かすほどの罪深い存在なんだ(やっぱり!)」と考えてしまい、しばし感じ入ってしまった、、あの不動明王を泣かせちゃったよ と。
写真撮影は禁止だし個人蔵なので、一期一会の仏像になるだろうと、できるだけ目に焼きつけたのだった。
さて、大河ドラマ「光る君へ」にまつわる考察動画で人気の「かしまし歴史チャンネル」というのを面白く見ている。歴史など色々と博識の「きりゅう」さんが中心となり、3人の女性で楽しく進行する。5/1配信の動画で、「泣き不動縁起」に関する内容があり、ここで紹介された泣き不動の話も感動的であった。
今「光る君へ」では、ユースケサンタマリアさんが安倍晴明を好演しており、陰陽師として色々な術をかけたり、権力者、藤原一族と丁々発止渡り歩き、今までの「晴明」像とは一味違う世俗臭をかもして人気となっている。
最近では、「己の重病は誰かの呪詛(じゅそ)だ」と思い込む藤原道隆が、清明に「お祓い」を頼むと、晴明は「それは呪いではなく、寿命が尽きようとしております!」と容赦ない返答をしたことが話題だった。
だが、「かしまし〜」の動画では、晴明は一方で「泰山府君祭」という延命祈祷が得意だったと解説する。重篤な患者の身代わりに他の人の命を「泰山府君(たいざんふくん、、閻魔大王のような存在という)」に差し出せば、晴明の祈祷によって患者は甦る という少しギョッとする術だ!
この動画で紹介された「泣き不動縁起」の説話は、身代わりの人の心意気に不動明王が感動して泣かれ、自身が身代わりとなって泰山府君のもとへ行くことで2人共助かる という話だった。
私がかつて美術館で感動した「泣く不動明王」の一つの回答を、数年後にここで得たような気がして、それはやはり美しく有難い話だったことに、重ねて感動を覚えた♡
「泰山」と言えば、中国に実在する霊峰だ。
もう数十年前になるが、渋谷公会堂で「題名のない音楽会」という公開録画があった時、両親とよく聞きに行き、その帰りに渋谷駅近の「泰山」という中華料理店(今はもう無い)に寄り、遅めの夕飯をとって帰るというのが私達の一連のコースだった!金曜の夜だったし、美味しいし(割りと手頃だし!)ということで、仕事帰りの人などでいつも混んでいたな。
あの泰山にそんな偉い神?がましましていたとは!
そりゃそうよ、霊峰だもんねw