メンデルスゾーンの名曲「ヴァイオリン協奏曲(ホ短調)」の美しいメロディーは、誰しも聞き覚えがあると思う。
コンサートで久しぶりに生でこの曲を聞く機会があった。
お馴染みの曲の入りに、特段構えることもなく聞き始めたものの、何度か巡ってくるヴァイオリンソロとオケの掛け合いや畳み掛けてくる訴求力に感じ入り、かつてない気づきがあった。
この曲の形容詞でよくあるものには、
美、哀愁、憂愁、切なさ、甘美、ロマン
などでそのどれもが当てはまるし、それでも十分納得なのだが、今回はもっと「哲学的深さ」みたいなものを感じ、少し動揺するほどだったのだ。
この曲は、聴く側の歳や人生経験の長短で、印象が違ってくる類いのものだったのかもしれない!
小説などに易しくも深くも読めるものがあるように、この曲には、単に甘美という聴き方に留まらない、芯を深くエグられる聴き方が存在した!
ある種の小説、音楽、絵画等の芸術に、皆さんも同じような経験がおありでは?
享年38歳という早逝の天才・メンデルスゾーンは、その若さで既にこの深さを感じ、それを音楽に現すことが出来た、、そのことも驚異である。
こんな作曲をするに至る心境って、、?
メンデルスゾーンは何が哀しゅうて、、?
いや、その通り、、哀しいのだ
人間とは、生き物とは、、存在自体に哀しい側面が在るのだろう。
そんな哲学めいたことを感じ考え込むと、深く潜っていってしまいそうだ。
個人的にはこの曲の形容詞に、「美しさ」等と同等の重みで「深み」というのを加えたいと思った。
Eテレ「クラシックTV(‘23/3/2放送)」のメンデルスゾーン特集で、MC清塚さんによると、「メンデルスゾーンの曲は、悲しい中にも明るさや気品がある」とのことだった。その説で行くと私の方は、歳を重ねることで逆に、彼の曲の中に哀しさを見つけられるようになったのかもしれないネww
このブログでは、例えばルパン作品の中でも特に次元回のようなシリアスものを書く時などは、言葉選びが特に真剣に慎重になるのだが、それに似て、今日のテーマみたいな難解な部類では、勝手に緊張してる!
下手な感想で、作品やキャラクターの尊厳が損なわれないように というせめてもの思いから、、
ああ、メンデルスゾーンほどの腕があったらねぇw