ルパン三世 & something

ルパンを語って微笑みを届けたい  他にも気ままに綴ってます♡

沢田研二さん&土井善晴さんのお料理 from映画「土を喰らう十二ヵ月」


映画「土を喰らう十二ヵ月」は、水上勉さんのエッセイをもとに、松たか子さんの役などを加えて改編した自伝的要素もある作品だ。タイトルの「土を喰らう」とは作家・水上氏、一流の表現であり、これを「大地の恵み」なんて言い換えたら陳腐で薄っぺらくなって申し訳ないネw
この宣伝映像で、お料理を担当された土井善晴さんを見つけた時、これは見に行こうと即断だった。作中、季節ごとに畑で採れる食材で、その素材の旨味を活かしたお料理の数々を、裏方で土井先生が作られているのだ。
私が家族に料理を作るようになった時、TV番組「おかずのクッキング」をよく見ては、画面を通して私淑していたのだ!
(なので、土井善晴さんのことは「さん」呼びではなく、既に「先生」呼びとなっております!)


土井先生は、「例えば、家庭料理の炒め物で、(結果的に)ところどころ味付けが偏ってたっていいじゃないか、それより心を込めて作っているという事実の方が嬉しいことじゃないですか?」のようなことをおっしゃっていて、主婦にはジンと来る一言だった! 以前、帝国ホテルの(故)村上料理長も、「例えばキャベツの扱いでも、ホテルのレストランでは、贅沢にかなりの部分を切り落とすが、家庭料理ではそれは違うでしょう?」「そもそも家族(の健康など)を思う気持ちがベースにあるのだから、お料理はレストランのそれとは違う」のようなことをおっしゃっていた。
「家庭料理ではそれでいい、それがいい」と、凄い先生方のおっしゃる事はどこか共通して優しくて、心に響いたものだった、、。


さらに、タイトルにある「十二ヵ月」は、作中では二十四節気から選んだもので紹介されていく。美しいカメラワークと映像で、折々の自然を見せてもくれる。私は「旧暦で楽しむ日本の暮らし」という雑誌が好きで、普段よく眺めているので、この展開の仕方は自分の興味と合致した。
また、私はいつもはせわしく動画などを2倍速で見るクチなので、このようにシアターという箱に強制的に身を置いて、自然に浸るというひと時をせめて持つことは、たまには必要だったし、その目論みは当たったww


主演の沢田研二さんは、「勝手にしやがれ」がヒットした頃、色気たっぷりに演じ歌う姿が幼いながら印象に留まっている。
今回も作中で、般若心経の一節や鼻歌を誦んじるところなど、沢田さんならではの味わいがあって聞き惚れた。
また、エンディング曲も歌ってらして、艶っぽさは健在だなあ と、流れる字幕を見つめながらじっくり味わった。
そして、そもそも、この映画でのお目当ての土井先生お手製のお料理だが、最初のうちはそう認識していたものの、いつしか、役にすっかり馴染んでいる沢田さん(役名はツトム)ご本人が作っているかのような錯覚に落ち入っていたw
もう、土井先生のお料理=沢田さんのお料理だった。


脇を固める役者さん達もまた、みんな素晴らしい♡
まず、個人的には空耳アワードなどでお馴染みの松たか子さんは、飾らない中にも品がよく、沢田さんといいコンビだ。
昔、小学生の時に見た大河ドラマ国盗り物語」で秀吉役をキラキラと演じて印象的だった火野正平さんも、今回出演している。当時は彼の演技のお陰で、長らく私は秀吉ファンになっていたほどだった!
映画の中では、沢田さんとの掛け合いのシーンで渋みを発揮されていた。
また、大大ベテランの奈良岡朋子さんの「深み」「凄み」のある演技と言ったら、私などが今更言うに及ばずだ。


封切り直後なので、ネタバレしないようにその他の内容には触れないが、普段流すようにやってしまっている自分の料理行動?について思うところあり!

時には少し立ち止まり、せめて(あのように作るのは無理だとしても)、素材をじっくり眺めたり感謝したりせんといかんなあ と気付いて、シアターを後にしたのだった♡