家では次男が私と同じアニメ好きでもあり、いいと思う流行りの作品などを色々おしえてくれる。SPY×FAMILYもそうだったが、呪術廻戦もその一つ。
過去編の主人公でヒーローでもある五条悟(ごじょうさとる)と幼ななじみ、夏油傑(げとう すぐる)。
初期の頃の2人の掛け合いは、まるでルパンと次元のようでもあり、見ていて嬉しい。
(ここからネタバレ)
悲しいことに、2人は途中からたもとを分かっていくのだった。
今日は、この2人の名前について自分なりに考えたことを書こうと思う。
作品の作者は、特に重要人物を命名する時には、必ずこだわりがあるはずだから。
あの紫式部も「源氏物語」第三部で、主人公「薫君」とライバル「匂宮」に、衣服に焚き染めるお香が、そこはかとなく「薫る」人と直接的に「匂う」人という差を設けているように。
ちなみに、原作者、芥見先生が命名について言及しているかどうかは一切知らず、私の勝手な洞察を書いていくので悪しからず!
まず、闇堕ちしてしまった夏油傑。
彼のヤミ堕ちの理由は複数あるが、その何番目かの理由に悟への嫉妬もあるらしい。
「傑出」という言葉にあるように、彼は「優れる」ということに、潜在的に惹かれてしまうのではないか?もちろん、名前は親などがつけるものだが、その思想は、多少なりとも教育などで反映されるものだからね。
そして少なくとも、作者が、悟に比して勇ましい名前を、象徴としても名付けたのではないだろうか?
優劣の比較の対象を他人に置くと、幸せからは遠ざかっていく。
生きるのが苦しくなるものだ。
そして、悟の方は、そういう親友の変化や最期を看取ることを通して、まるで仏道修行のように、真に大切なことは何か?、自分が知らずに周りをくるしめていたのではないか?などを「悟る」。
作中、途中から、呪術師としてよりいっそう無敵に覚醒した悟。
彼には天才ならではの鈍感さがあり、その反省をするに至るのだった。
ハリポタのダンブルドア校長のように、自分の今後に教師の道を選択するのも、そのような「悟り」からだったろう。
生き残った方は、悟りの一生だ。
登場人物それぞれに、その命名や背景を考えると、単純には割り切れない何かが残る、、そんな深いアニメで、堪能した。