この2つの曲は、洋の東西、JAZZと演歌、歌無しと歌あり、、と少しずつ異なるが、テイストが似ていると思う。
以前にも記事に書いたことのある「ラウンド・ミッドナイト」は、JAZZの巨匠セロニアス・モンクの名曲だ。一向に晴れることのない、息が詰まるような暗さ(?!)で、もう、ず〜っと夜が明けないんじゃなかろうかっていう勢いだ。
この曲には、バーの止まり木でウィスキーを嗜む渋い次元が似合うね!
一方の「悲しい酒」は、古賀政男さん作曲、演歌の女王、美空ひばりさんの十八番だ。天才の彼女は、実はJAZZも上手かったので、洋楽に盗られては大変!と関係者が慌てて演歌界に繋ぎ止めたというエピソードがある。
JAZZも演歌とノリは繋がっているから、さもありなんだね。
作詞家、石本美由紀さんによる名歌詞の出だしは、
♪ ひとり酒場で飲む酒は 別れ涙の味がする
で、ラストは
♪ 泣いて怨んで夜が更ける
で閉じる。
「ラウンド〜」はエレクトーンで、「悲しい酒」はカラオケで、共に真似ごとをしたことはある。
この手の曲は、演奏する(歌う)方も、かなりの神経と体力を要するねw
それに、悲しいからって曲に拘泥しちゃいけないのよ!
20代の後半、職場の人達と一緒に2次会で銀座の小さなバーに行き、カラオケをした。そこのママは、その道X年の高齢のベテランで、「ルパン三世」の「ニセ札つくりを狙え!」に出てくる女性「ウクライナの銀狐」にも似た、芯のある綺麗な人だった。
「悲しい酒」を私が歌い終わった時、このママに、「この歌を歌う人、今まで沢山聞いてきたけど、あなたが一番上手かったわよ。」と、言って下さったのはとても嬉しかった。そのような職業の方は審美眼が肥えていて、(特に私のような小娘には)沽券にかけても容易く褒めてはくれないことはわかっていたし、また、私は地歌三絃をやっていたので、いつも歌う時、言葉の発声、発音と声の置き方なんかにとても気をつけていたからネ!
ところで、「悲しい酒」の歌詞で、先程紹介したラストに繋がる直前に、
♪ 好きで添えない人の世を〜♪
というところがあり、ココ、とても気に入っていて、当時は、「そこも悲しい所以の一つ」という解釈をしていた。この歌詞中の女性も、まだ若い方だと思うのでその見方で合っているのだろうが、、。
でも今では、
そうはあっても、一生でそんな人に出逢えただけでもちょっと幸せなんじゃないか、、?
という思いに徐々に変化してきているw
お酒、なかなか熟成してきてるでしょww