ルパン三世 & something

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鯖街道を行く 「若狭ぐじ」の塩加減 from ブラタモリ

TV番組「ブラタモリ」(23/11/11放送)のテーマは、福井県小浜市から京都へと繋ぐ、通称「鯖(さば)街道」だった。


若狭湾で水揚げされた鯖などの海の幸の他、様々な物資が、往時の都で大消費地が広がる京都へと運ばれる重要な道なのだ。
室町時代には将軍に献上するための「象」までもが通ったという!
その他、若狭湾まで北前船が運んだ貴重な「紅花」等々も。
また、物のみならず、足利将軍や織田信長も通るなど、政治的にも重要な道だったらしい。

地理的には、街道沿いは東西プレートの圧縮による共役(きょうやく)断層となっており、(熊川)断層と(花折 はなおれ)断層の2つの断層により、その谷沿いにできた起伏の少ない真っ直ぐな道が繋がって、この鯖街道ができた。
これについては、ブラタモリ「大原」の回でも、若狭街道として触れられており、大原ー京都間は自動車の無い当時で、歩いて半日だったという。


学生の頃、サークルの春合宿で京都へ行った。その際、京都がご実家の部員のお母様の紹介で、祇園先斗町(ぎおん ぽんとちょう)の小料理屋「竹馬」に、有志数名で訪れた。
清潔な白木のカウンターに、次々と美味しい和食が繰り出される。そのご主人直々に、お料理だけでなく、食にまつわるお話やマナーを教えていただいた。
その時に、とても印象的だったお話が、お料理に出てきた「若狭ぐじ」のことだったのだ。
「昔は、若狭湾から京都に着く頃には、ちょうど良い塩加減になっていたんだよ」と。

自動車の無い時代は、総合的には今より不便だろうが、その一頁だけを切り取れば、そのぐじを食してみたいもんだと思ったものだ。


番組では、鯖や若狭ぐじなどの魚に、ちょうどいい塩梅の塩を振り、京都へ運んだとの解説があり、このことは「若狭一汐(わかさひとしお) 」ということも紹介された。こんな言葉まであったんだね。

この日のブラタモリでは、私が何十年来温めていた一つのテーマ「若狭一汐」について、たっぷりと読み解けて嬉しかった。
そして、その微妙な塩加減もわかる京都の一流料理人や食通、また、食文化の奥深い歴史にも、改めて敬服したのであった♡