閻魔大王(えんまだいおう)の持ち物で有名なものは「閻魔帳」。
これには人間の生前の悪事が全部書かれていて、死後、それを見られて裁かれる というあの恐ろしい帳面だ!
この度(12月中旬)、境内(けいだい)の紅葉がギリイケルというので、東京世田谷にある九品仏(くほんぶつ)浄真寺を訪ねた際に、閻魔堂の説明の中で、閻魔の持ち物にはもう一つ、「浄玻璃の鏡」というのがあることを知った。
生前の業(ごう)が、この鏡に写されて、またも見極められるという。
閻魔大王の裁きは、なんと2段構えだったんですね!ぞぞぞ‼︎
さて、例によって引っ掛かったのは、「浄玻璃」とは?ということ。どんな鏡?
似た言葉で、こっちの方が有名だと思われる言葉は「浄瑠璃」だ。
まずは浄瑠璃から、、
そもそも三味線を伴奏に謡(うたい)がつくものの総称のことを指すが、そう呼ばれるようになった訳は(wikiによると)、戦国時代のお伽草子(おとぎぞうし)の中に出てくる浄瑠璃御前という女性が、薬師如来の霊験譚(れいげんたん)などを芸能で語った というところにある。この薬師如来は「東方の瑠璃光世界に住んでいる」というので、浄瑠璃の「瑠璃」とは薬師如来由来だったのだ。
ちなみに瑠璃は、七宝焼(しっぽうやき)で有名な七宝の一つで、宝石好きな方ならご存知のラピスラズリに当たると言ってもいいらしい(諸説あり)。
ならばこの「浄」は? というと、薬師如来つながりで、浄土など仏教由来の「浄」なのだ。
これでもうお分かりと思うが、閻魔の「浄玻璃の鏡」の「浄」も同様だ。
そして逆に戻って来ると、「玻璃」とは水晶やガラスのこと。
なので、浄玻璃の鏡とは、仏教儀式等で使う水晶で出来た鏡なのですね。
つくづく水晶って、占術、霊術絡みの事に相性がいい物のようだ!
そして「鏡」というのも、三種の神器の八咫鏡(やたのかがみ)もそうだけど、神仏関連のお道具によく登場する。
また、魔術の世界のハリポタでも、「みぞの鏡」とか、トレローニー先生の水晶玉などがあったね。
なんだか水晶とか鏡は、ことによると、不思議な力を宿す物たちのようだw
そして、文化としてなにげに聞き知っていた「浄瑠璃」などの言葉には、分解してみると仏教由来のものもあるのだ と今更ながらに気づいたのだった♡