『プレバト‼︎ 』俳句部門のある日のお題は「ツイてない悲劇」
帰路で失す サンローランの サングラス
by 清春さん
フランスから帰国したら現地で買ったサングラスが見つからず、無くしたことに気づく というガッカリ体験から詠んだ一句で、結果は「才能アリ」に選ばれた。
ただ、一点だけ惜しいところを夏井先生に指摘される。
それは、 ‘で’ ではないか?
とMC浜田さんが気づき、
‘に’ にすればいいのでは?
と梅沢富美男さん。
さすが、両名共、プレバト‼︎ に長く携わっているだけあるね!
原句の ‘で’ の場合は、普通の文章のようなニュアンスになるという。
ここで連想されたのは、『ベニスに死す』という映画のタイトルだった。
1970年代の海外の有名な映画の邦題である。原題は、“ Death in Venice “
この映画では、マーラーの交響曲第5番の中でも美しい調べで有名なアダージェットが流れることでも知られている。
もしこれが「ベニス ‘で’ 死す」だとしたら、ルポルタージュの作品名みたいで、なんか情緒が感じられないよねw
映画のタイトルや俳句など、詩文的な美に価値を置くものには、さらに細心の配慮が必要なのだ。
夏井先生は、俳句を詠む際に思いついて出来た句も、
「一回立ち止まって考える」
ことが大事とおっしゃっていた。
俳句をひねる方は参考までにどうぞ‼︎
この回では他に、お笑い芸人の河合ゆずるさんの作品で、
仲秋や 音緒(ねお)に残りし 三味の糸
というのがステキだった。彼は今、大阪の番組で三味線に初めて取り組んでいるという。
「この句は映像が浮かび、中七の調べが特に良い」
と先生に褒められた。
私も三絃を弾くので、これには実感を持って共感する♡
この句は、見事、昇格作品となったものの、
「三味の糸」を「三の糸」にした方がさらに良くなると先生に直された。
三の糸は3本の糸の中で一番細くて繊細。切れ易いので、「練習して切れた糸が音緒に残った」という情景を切り取った一句になっているのだ。
三の糸とはメロディーも奏でることが多い。
直されて、河合さんは、
「 ‘ 三の糸 ‘ か〜 ホンマや」
と 思わず呟くところなど、三味線に真摯に取り組み、馴染んでいる証拠だね。
河合さんは俳句を良くするので、お三味線も手がけると、きっといい線行くだろう♡感性はどこか繋がっているものだから。
芸の幅がさらに広がって、これからも楽しみですね。