‘さらば青春の光‘さんの動画「映画『国宝』3分割鑑賞」に先立って、「ひょうろくが家で『国宝』やってた」という動画があった。これも我が家では大受けで、それからしばらく、息子達は浴衣姿の男子を見ると「国宝だ国宝だ!」と囃すブームが続くw そして私もこれを以て「『国宝』を見た」ことにしていた。
「3分割鑑賞動画」では、約3時間のこの映画を3人で分割で見たものを皆に伝えていく。その中で、国宝の女形役の名を森田さんとひょうろくが、菊玉とか万吉などと微妙に聞き違えて混乱!そこで『国宝』キャスト紹介の動画を見てみたら、その役名は「万菊」と判って大爆笑‼︎ 玉はどこからきたの?実在の名女形、玉三郎さんのイメージからかなww
ブクロパートのテーマの看破と簡潔明瞭なまとめ方、森田パートでは情が深い場面のセリフを上手く再現、、など前半中間と見事に再現して紡いだ糸が、ひょうろくパートで一気にこんがらがるのが最高の面白さとなった!でも、最後のひょうろくパートは彼自身も言っていたように、言葉少なに舞踊表現の描写で語りかけるシーンも多くなり、アーティスティックなひょうろくが身振り手振りでそれを伝えるのが、それはそれで良くマッチしていたね。
三者三様の表現の違いは、日頃彼らの動画で親しんでいるだけに、それぞれ個性に沿っていて楽しかった♡
また、「3人で、のべ9時間」という’なべ算‘ の発想には、私も「なんか、わかるわ〜!」ってなったw
だが、ブクロと森田さんが作中に登場する歌舞伎の演目名を具体的に挙げていってくれたことで(それは想像以上の数だったし)、各々がストーリーにどう絡んでいくのか?などに興味が湧いた。この動画そのものも面白いため、結局10回近くリピートして、よく話題にしていたら、「そんなんだったら、もう、行ったら?」と家族に後押しされ、やっぱり映画本体を見ることにした‼︎
主演の吉沢亮さんと横浜流星さんが女形の美しい演技をするまでの相当なお稽古と努力が偲ばれた♡ これは映画を見た人達が一致して感心するところでもある。又、 お2人にずっと寄り添って稽古をつけた中村鴈治郎さんとチームの方々のご努力のほども、同様に推察される。
吉沢亮さん演じる喜久雄の「芸に対する凄まじい向き合い方」については、芥川龍之介『地獄変』の ‘絵仏師良秀’ を思わせるものがあった。多少語弊があるが、一言で片づけてしまうとそれは「芸術至上主義」とでもいうもので、喜久雄が妻娘もかえりみず芸に没頭するという有り様なのだ。
〈ネタバレ注意〉
喜久雄は父が殺されたシーンでさえ、雪舞う景色に一瞬魅入るような表情を見せており、それだけでも常軌を逸した天賦の才を感じずにはいられない。(ブクロも、そのシーンを綺麗だと言っていて、的確なcatch 力だった!)
お稽古の苛酷さよりも芸の上達への喜びの方が勝り、妻子も顧みず、、芸道一筋なのだ。
歴史上、芸事やその他色々な道において、たまに振り切れてしまっている人はいるものだ!必然的に、家族など身近に関わる人は苦労したり悲しい目にあったりすることになる。作中には、喜久雄だけでなく芸に厳しい人は沢山いて、寺島しのぶさん演じる(歌舞伎名門の)妻であり母である女性の苦悩や滅私奉公的献身に、一番そのことを痛感した。
「関の扉」「連獅子」「鷺娘」「二人藤娘」「二人道成寺」そして「曾根崎心中」、、
作中演じられる演目の数々だ。
♪ ほんに女子(おなご)は悪性(あくしょう)な、、蓮葉(はすは)な者じゃえ♪
箏三絃で「新娘道成寺」という同様の曲を演奏したことがあり、「二人道成寺」で聞き覚えのあるこの歌詞に乗せ、2人が道成寺の鐘に上がり(蛇身に変わるため)蛇の鱗模様の入った光沢のある真っ白なお着物に早変わりする場面は圧巻だった。これは2人で臨んだ初の大役。その緊張感と成功は本作の華となった♡
「喜久雄の探す景色」にはどうやら雪が関わっているだけに、数々の演目が耽美的に相乗効果を生み出す。
歌舞伎に詳しい渡辺保さんの著書『歌舞伎のことば』によると、「関扉」は「積恋雪関扉(つもるこいゆきのせきのと)」という舞踊劇の歌詞の一節から生まれたとのこと。「鷺娘」と雪は濃い相性だったり、「曾根崎心中」の冬の道行の果ては雪が舞う演出が施されたり、、。
「曾根崎心中」のお初・徳兵衛の最期は、言わずもがなの熱演だった。
書き切れないほどの感想は色々あるが、出来るだけ短く語ってみた。
さらばさんの動画のお陰で、「3時間」にモジモジしていた映画鑑賞へと無事導かれ、感謝している♡
逆に、『国宝』見た後にこの「3分割動画」を見るというのも、とても好評のようでオススメだ!