「ダンブルドア先生 その日記をマルフォイさんにお返ししてもよろしいでしょうか?」
「よいとも、ハリー」
ダンブルドア先生は静かに言った。
本作のラストで、これからもうひと展開ある痛快なシーンの始まりだ。
〈ネタバレ注意〉
マルフォイにドヤされ、叫び声を上げるドビーに対して、ハリーが「必死で考えを巡らせた。」 なお、「 」内は原文通り。
ドビーを救おうとする気持ちから出たハリーのエネルギーは強力だ♡
今や残骸になったとは言え、いわくつきの「リドルの日記」をマルフォイに返そうとするハリーに対し、校長は「静かに」それを認めたところを深掘りしたくなったw
この少し前に、校長はハリーに対して、サラザール・スリザリンの資質を述べていくところがある。「(ハリーも)たまたまそういう資質を持っておる」とも付け加えた。その資質とは、
稀なる能力である蛇語・既知に富む才知・断固たる決意・やや規則を無視する傾向
最初の資質以外は、ストーリーの展開でこれからハリーがマルフォイに施そうとする策略行動に奇しくも合致するのだ。
校長は日記の返還を許可することに対して、ハリーの思惑をどこまで読んでいたのか?或いは、ハリーの善なる良心を信じているので、何をしようとそれを許そうと思ったのか??
思うに、ハリーのスリザリン的性質は、同質の人に対して有効に働くことがある。いわゆる「毒を持って毒を制す」だね。
校長が「静かに」許可したのには、何かしらの悪だくみ的内容を予感したが、「マルフォイを懲らしめるにはそれも良し!」とハリーに任せたのではないか。こんな行動は、多分校長にすら取れないから‼︎
「静かに」は、「暗黙の了解」を意味しているように思った。それが善なる動機から生まれ、いい結果を生むことだから。
結果的に、校長がそれを許したればこそ、ドビーの自由につながった。
この辺の校長の柔軟な判断力には、いつもながら脱帽だ。
「雇い主が衣類を家来に渡すことで家来は自由になれる」という魔法界のルールを利用して、ハリーはドビーをマルフォイの縛りから自由にしてあげた。
それを知ったマルフォイの怒りに対し、ドビーが今までと打って変わって雄々しく立ち向かうところが圧巻である。
「ハリー・ポッターに手を出すな!」
「すぐ立ち去れ」
語気も荒く言い放つドビー。
後にマルフォイ邸でベラトリックス達に対して、自由と友情を高らかに宣言するドビーの口上のシーンは同じく見事であった。歌舞伎なら「◯◯屋!」って大向こうから声を掛けたくなるところだね‼︎
ドビーは優しさだけでなく、こういう真の(芯の)強さも持ち合わせているところが、好きなのよね〜♡