かつてスネイプは、ハリーの父ジェームズと仲が悪かった。というより、ジェームズ、シリウス達からよくからかわれ、本人たちはイタズラのつもりでも、それはイジメに近いものだったので、誇り高きスネイプには到底許せない心の傷として残った。今度は息子ハリーに対して、事あるごとに辛辣な言葉を浴びせることとなる!
スネイプとハリーは学校では師弟の間柄とは言え、そのように険悪な関係だったので、ハリーがダンブルドア校長と会話する時、スネイプ先生のことをよく「スネイプが、、」などと敬称を付けずに発言したものだ。話の流れが一見ハリーに同情できる場合でも、ダンブルドアは、いちいち「スネイプ『先生』じゃよ」と訂正することを欠かさなかった。たとえ、ハリー(& 読者)にウザがられようとも‼︎
印象に強く残っていることだ。
これは、単なる礼儀上の注意に留まらないと私は感じている。
〈ここから全巻通してのネタバレ〉
スネイプは、ダンブルドア校長とヴォルデモートとの間で二重スパイのような難しい立ち回りをしていた。それゆえ、特にハリー側からは疑いをかけられるようになっていった。スネイプにしてみれば、それはむしろ立ち回り成功ではあるものの、真実を知っている読者にとっては、シリーズ後半からは特にとてもやり切れない思いがするのだった!
いわば、ダンブルドアがその役回りを命じたのだが、
「自分(ダンブルドア)は、どこまでもスネイプを信じているのだよ」
ということを、ハリーに染み込ませたかったような気がするのだ。
ダンブルドアはスネイプに、時が来たら自分を始末するようこっそり命じており、その通りになると、ハリー側騎士団達からの疑いは決定的になってしまう。スネイプを信じていた校長が、よりにもよって彼からヤられた形になったことで、疑念に一層火をつけてしまった‼︎
だが最終巻で、スネイプの最期に採った記憶を見た時に全てがひっくり返る。
その時初めて、ダンブルドアがスネイプをどこまでも信じていたことが証明されたのだ。
「『先生』じゃよ、ハリー。」と、いちいち根気強く訂正していた意味、、
この時ハリーには、やっと判っただろう。
よく考えれば、ダンブルドアともあろう人が、信じていい人ダメな人の判断を間違えるわけはなかったのだww
むなしい努力かもしれなくても、ハリーに対してダンブルドアは、「人を信じる」という一貫してブレない崇高な姿勢を採り続けた。判る時に判ればいいと。
この姿勢はさすが教育者、素晴らしいなと思う。
そうそう、でもハリーも、ダンブルドア校長のことをずっと信じ続けていたね♡
『秘密の部屋』でフェニックスが来た時も、、『死の秘宝』でダンブルドアの弟アルバスに対しても!