ルパン三世 & something

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哀れ、佐野政言を追い詰めた諸々のこと from大河『べらぼう』

今回『べらぼう』で初めて知ったことは、「赤穂浪士討ち入り」の発端として有名な浅野内匠頭による「江戸城の殿中刃傷沙汰」のような事件が、江戸中期の田沼政権下でも起きていたなんて!ということだ。
しかも田沼の息子(意知:おきとも)が斬られる事件として、、
〈今後の展開のネタバレあり〉


この事件の起因は諸説あるようだが、佐野政言(まさこと)が「覚えがあろう」と3度も唱えながら事に及んだと伝わっている。ここでこれから綴ることはドラマで描かれた筋書きだけでなく、伝聞等も踏まえた上の感想となるので悪しからず。

色々な解説によると、赤穂事件もそうであったように、事件の当事者同士による複数の不愉快な出来事によって佐野政言(まさこと)は恨みを募らせた と聞いた。(ドラマ上では、あくまで田沼意知はいい人キャラになっているが、、)


まずこのような下地があった上で、それでも、あくまで2人の出来事だけならば、政言は何とか耐えて刃傷沙汰までには及ばなかったのでは? とも私は思う。

重ねて以下の2つの要素が大きく後押ししたために、それらの要素全てが彼を追い詰めていった と考える。


田沼意次と政治的に対立する一橋治済一派による陰謀という線はドラマでも色濃く描いているように、ワルの大人達が政言の「跡取り息子の長男という立場、プライド」に上手〜く付け込んで焚き付けた。

②政言の父親による「家」の期待や無念が、責任感が強く真面目、一人息子で孝行息子の政言にとって、痛くこたえてしまった。


特に、江戸幕府のような政権そのものが家制度の権化みたいな世にあっては、社会全体がその価値観で動いているため、佐野政言みたいな場合、がんじがらめにされた犠牲者という側面は否めないと思う。

②以外は外部とのことなので如何ともし難い点はあるが、②は身内なので、そこが追い詰めてどうするよ? と口惜しいのだ!


そしてこれは、現代にもつながる事として捨ておけない。
毒親の過度な期待が、子にかかる圧力」は、きょうび、だいぶモンダイになってきた。
従来、「親の仇を子が討つ」などの「美談」はドラマや芝居のテーマになったりして讃えられてきたものだが、そのような「過度な遺言!」は、子にとってありがた迷惑にもなりかねないww

私自身、そういった歌舞伎の演目にはやはり感動するし、家族の存在や親孝行の大切さを感じるものの、贅沢な要望だが、家族と言えど ‘ ちょうどいい塩梅の繋がり程度 ‘ が望ましいのではないか と思っている。


親は親、子は子の人生はあり。
子をそこまで拘束する権利が親にはあるのか? 
子供は親のくびきから離れて、もっと自由に生きて欲しいなあ。
特に成人以降は!


政言の一連の追い詰められ方をこの観点で観ると、あまりにも哀れであった。
佐野政言、享年27
田沼意知、享年36
共に、老長けた大人の政争に巻き込まれた、幕臣の跡取り息子同士。
家制度の「かくあるべし!」につけ込まれた犠牲者達でもあった。


太平の世というイメージのその時代でも、なかなかにエグいことが起きていて驚くと共に、色々と考えさせられてしまった。