漫画&アニメ「チ。ー地球の運動についてー」は、中世ヨーロッパの教会権力が絶対の世で天動説の教会に反し、地動説を唱える人々の葛藤を描く。
そんな世の中で地動説を押すのは命がけな行為であり、彼らは当然「異端」と見なされた。一説には、「異教」より「異端」に対しての方が、「当たり」がより残酷さを増すものらしい、、
本作の初期の頃、異教徒側の人間が消える直前、「真理を追求し知る悦びは、人生の長さにも勝る」のようなことを言ったセリフは印象的で、共感するところがあった。これは、クリエイター気質の人ならうなづけることではないか!?
さて、本作のテーマ音楽『怪獣』はミュージシャンのサカナクションが手がけている。この音楽にはクセになり囚われてしまうような独特な魅力があり、曲が次々と展開して趣が変わって行くところも面白い。
サカナクションのヴォーカルとアレンジ担当者によるメイキング解説動画を見た。詳しく説明してくれていてとても興味深かった。ただ、これは長くもあるので、自分なりに印象に残っているところを選んで綴ってみようと思う。
まずはヴォーカルとピアノだけで朴訥と始まる歌い出しがいい♡
そして、次の展開に入るところの音響効果が好きだ。
♪ だんだん食べる〜♪ の直前部分、2音だけで表されるところの音の効果は、まるで光が点滅しているような不思議な感じがするし、気持ちが掻き立てられるのだ!
私はこの曲が始まるといつもこの部分を心待ちにするほどww
また、この曲のエンディングに近い一番派手な部分では、「教会の鐘の音」(に似た音)を入れているという。これは隠し味ほどのものなので、耳を澄まさないと気づかれないが、動画ではこれを抜いた演奏と比較してくれていて、比較するとやはり重厚味が違うのだ。
ヨーロッパの街では今でも「教会の鐘の音」は日常にある音。
当ブログでは、ルパン作品における「教会の鐘の音」やクラシック音楽や文学における「鐘の音」について過去に色々と語ったことがあり、個人的に「鐘の音」には敏感なので、これは特に気に入った♡
「チ。」で一貫して支配する教会の世界観、、これを象徴する意味でも「教会の鐘の音」を入れるなんて、効果音としてピッタリだし、シャレてるなあ。
さらに、動画では奏者の各パートごとの説明もあったのだが、その中の「ベース」の解説で、個人的に嬉しい発見があった。
私はJAZZが好きでこれまでよく聞いてきたが、カルテットなどでのベースには一定のイメージがあり、「ひたすら縁の下の力持ち」みたいな勝手な思い込みが強くあった!ベースは多くの曲でメロディパートでは無いし、、。
ルパンファミリーをJAZZ奏者で現すとベースは次元が合う なんてことも、ここで書いたことがあるww
ただ今回、『怪獣』をベースだけで演奏したものを聞かせてくれたお陰で、ベースだけでもゾクゾクする魅力があることを知った♡
これは、きっと弾いていて気分がいいはずだ。ベース奏者は演奏によって人助けするだけでなく、自らの世界を拓いていく愉しさを味わっているんだな と気づき、なんだかホッとした!
良かった‼︎
でも考えてみれば当たり前のことだよねw
彼らは、だからベーシストになったのだから。
さあ、皆さんも、ヤミツキになるこの『怪獣』の世界をどうぞご堪能あれ!