妖刀とは 一旦鞘を抜いたら血を見るまで収まらない といういわく付きの怖い刀。そんな刀があるという。
歴史的に有名な妖刀には、銘がついているようだ。
今日は、歌舞伎の作品とルパン作品にそれぞれ登場する妖刀にまつわるちょっと不気味な話を綴ってみる‼︎
歌舞伎の名作『籠釣瓶花街酔醒(かごつるべ さとのえいざめ)』に出てくる妖刀、、銘は「村正」。
この村正というのはそもそも、実在の刀工の名前だそうだ。
[以下、少々ネタバレ注意]
佐野の商人 次郎左衛門はワケあって、吉原の花魁 八ツ橋を斬ることになる。次郎左衛門が妖刀の鞘を抜くと、まるで刀に意思があるかのように腕や身体が操られ、結局、次郎左衛門の脳内よりも残酷に上を行ってしまうのだ!その辺りが、「妖刀村正」の魔力妖しいゆえんである。
そしてここの演技は作品の一番の見どころとなっている。
5月末にNHK『古典芸能への招待』で、この『籠釣瓶〜』のノーカット放送があるそうで、これは、佐野の商人 次郎左衛門を中村勘九郎、吉原の花魁 八ツ橋を七之助、中村兄弟(敬称略)の名演によるものである。
これに先立ち、Eテレ「芸能きわみ堂」で当演目の特集があり、中村兄弟の演技を一部見せながら、岩下尚史さんによる言葉も粋な解説があった。妖刀だけでなく花街などの色々も、とても興味深く拝聴。
番組では、(本作自体は明治時代の初演だが)村正は、江戸時代 徳川家康の祖父から息子の四代にわたる凶事に全て関わっていたことが紹介された。恐ろしや!
また番組では名刀についての話になり、MC高橋英樹さんは、これまで時代劇で数々の刀を手にされてきたが、「いい刀は触ってみると良さがわかる」との熱弁で、然もありなんと思わせた。
もう一つの妖刀は、ルパン三世のテレスペ『天使の策略〜夢のカケラは殺しの香り』での話。本作は5人の女性ヴィラン ‘ ブラッディー エンジェルス ‘ がルパン達を苦しめる。その中の ‘辻斬りカオル‘ は、「妖刀紅桜」を操る手だれだ!五ヱ門の斬鉄剣とやり合って、かなりいい勝負なのだ。
作中、この紅桜について五ヱ門が語る。
「手にした者は飢えたケモノの如く、人を切らずにはいられないのだ。」
こちらの妖刀は、‘左甚五郎’という刀工が作成したが、甚五郎はこのことを大変悔いている。最後に皆を救うカギとなったのは、妖刀ではない五ヱ門の斬鉄剣の方だったのが良い!
ルパン情報的には、本作はルパンととっつぁん(銭形警部)が一部共闘するのもイイし、それぞれのヴィランの特徴はバラエティーに富み、ルパンファミリーの見せ場もたっぷりと、怖くて面白い作品となっている。
以上、語ってきたように、刀の世界には、妖刀のような特に不吉な刀と‘いわく‘ があるようだ。ルパンの方はともかく、「村正」 は徳川家に実在したものだけに不気味だ!
一連の話を信じるか信じないかは勝手だが、特に素人にとっては「触らぬ刀に祟り無し」だと思ったが、どうだろう!?