NHK大河ドラマのテーマ音楽は、これまで多くの作曲家が手がけ、作品に魂を込めてきた。
従来、個人的には、作品を見進めるうちに慣れてくるタイプの曲もあったが、今回の『べらぼう』は、早くもモチーフが耳に馴染んでいて、聞くと気が上がるものとなっている!むしろ、早くも曲が作品を牽引するくらいの勢いなのだ。
重ねて今、カリスマ塾講師、野島博之先生が導く「3か月でマスターする江戸時代」(Eテレ)という番組も合わせ見て楽しんでいるが、その番組中でも時折このテーマ曲が流れて来て、明るい気分になる。
「ああ、いいなあ〜」
既にそんな感情が湧いているメロディー♡
こういう感情を言葉で表すのは難しいが、何とか表せば、このモチーフには「明るく展望が開ける」イメージがある。
『べらぼう』の主人公 ‘ 蔦重 (蔦屋重三郎) ‘ は、江戸時代中〜後期の出版業界に新風を巻き起こしたいわゆる「起業家」だ。
「青雲の志」という言葉があるが、このテーマ音楽からは、そういう気概が伝わってくる。
“ entrepreneurship ”
アントレプルニューワーシップ、起業家精神
こんな言葉がテーマ音楽のモチーフにピッタリな感じがしてくるのだ!
現代は、起業を目指す人も多く、その裾野も広がっている。
そんな風潮に夢を与えるようなドラマでもあるし、テーマ音楽であると思っている。
作曲者はアメリカ人のジョン グラムさん。
プロフィールによると「日本文化をこよなく愛する」と言ってくれているのが嬉しい!米英で本格的に作曲等を学んだ下地の上に、「哲学的かつダイナミックな音楽描写を得意とする」とあった。
具体的には、ジョンさんご本人の弁からざっくりまとめると、
「①蔦重への敬意。②江戸文化への賛美」
という2つの点からアプローチしたそうだ。
なるほど、『べらぼう』という作品を解釈し、‘ 哲学的 ‘ に咀嚼した上で作られた音楽なのですね♡
漫画家にも哲学者タイプは多く、『ベルばら』の作者、池田理代子さんも、『チ。』の作者、魚豊さんも、大学の学部選択は哲学だった。
畢竟、登場人物に語らせるセリフは精神性が深く、確たる信念のようなものがあったりすることが多いのだ。
クリエイティブな仕事をする人は、たとえ学問として専攻した経験は無いまでも、往々にしてそのような傾向があるのでは? と思っている。
追記:25/2/25)
私のXの方に、ジョン・グラムさんご本人から「いいね」を戴いているのに気づきました。
私の拙い感想文をお読みいただいたようで恐縮ですが、嬉しく思いました。
なお、ジョンさんのXには、『べらぼう』にかけるご自身の思いが語られています♡