ルパン三世 & something

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ビクトリア朝のイギリス from オリバー・トゥイスト by ディケンズ

前回のテーマ「クリスマスキャロル」と同じチャールズ・ディケンズ作の「オリバー・トゥイスト」が今日のテーマ。
今回は本からでは無く、映画を見た感想になる。


小学生の頃、世界的大人気の子役マーク・レスターが主演を務める「オリバー!」を映画館で家族と見た時、同じ年頃のオリバーや子供達が(孤児のための)救貧院で、ひどい扱いをうけているシーンが強く印象に残ったものだ。大広間での食事で、子供達の前にはちゃぷちゃぷの(お粥の)椀のみが配られ、ひもじくてお代わりを申し出たオリバーは、生意気だと言って確か耳を摘ままれて救貧院から放り出されたのだった!ただでさえひもじかったのに、この先どうするんだ?というところからスタートする強烈な場面だった。
それ以外は自分が幼かっただけに、(ハッピーエンドの)ストーリーの大まかな記憶しか残っていないw

その頃、私が所属していた児童合唱団で、「オリバーのマーチ」「なんでもやるさ」というミュージカル版の歌を歌っていたので、この作品自体、特に印象が深い。どちらもとてもいい歌詞&綺麗な曲なので、聞く機会があれば是非感じてみて欲しい。


ディケンズの「クリスマスキャロル」を読んで何度も出てきた ‘ 救貧院 ‘ なるものに、かつて見た映画「オリバー!」の記憶が甦り、hulu で探したら「オリバー・トゥイスト」というリメイク版の方があったのでそちらを視聴。
そこには、幼い頃の記憶よりもっと詳しい(大人の方の)人間関係が広がっていた!本当はこれも本で読むと尚良いのだろうが、今の感性で見るこの映画の方も、十分見どころが詰まっている。
映画「メリー・ポピンズ」や「マイフェアレディ」も本作も、同じくビクトリア朝のイギリスを描いた作品で、その当時の様子は映像で見れば、より解り易くなって有難い。


この映画「オリバー・トゥイスト」は、第1話、第2話と長めの作品なだけに、産業革命只中のイギリスの時代背景やその貧富の差、ユダヤ人などの人種の違いによる扱いの差、階級の違いによる偏見、そしてそれぞれに存在する浅はかさ浅ましさ等が、随所にたっぷりと感じられる。
中でも、オリバーが関わった盗賊団の団長、フェイギン役の俳優の怪演が特に印象に残った。

子供の頃見た印象と違って、その視聴後感は、オリバーが幸せになれてよかったね だけでは終わらない複雑な刺激に満ちたものだった。