ルパン三世 & something

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地券の話 from「落窪物語」part2


平安文学の代表作とも言える「源氏物語」が書かれる前、それに影響を与えた作品の一つと言われているものが、この「落窪物語」。
この物語は、継子いじめからの復讐譚というかなり世俗的なものだ。

このブログでは既に「三郎の君」について「落窪物語part1」をupしたことがある。
今日は、この物語が子供向けに平易に書かれた「しあわせになったおひめさま」という、私がかつて読んだ児童書の中で、印象に残っている他のシーンについて、、。


いじめられた落窪の君が、閉じ込められた納屋から少将の君に救い出された後、亡くなった生母より落窪の君が譲り受けていた二条邸に、中納言家(いじめた側)が勝手に引っ越そうとした時に、中将側(確かこの時は既に、少将から昇格していた。ややこしくてゴメン!)が仕返しをするため、その邸宅を差し押さえるという、なかなかのエグい場面!

さすがに困った中納言は、中将の父君・左大臣に泣きつき訴える。父君は一旦引き取り、息子の中将に事情を問いただす。中将曰く、「それは、私の妻(落窪)が彼女の実の母から譲り受けていた家です。中納言は、意地悪な今の奥方にそそのかされて、このようなことになっているのです。(中略)それに、私の妻は、地券(ちけん)を持っています。」
これを聞いた父君は、「地券を持っているということならば、息子の筋が通っているようだ。ほおっておこう。」ということになる!
(注:この児童書は既に私の手元にないため、記憶の下に書いてます)


児童書にいきなり「ちけん」というワード、しかもひらがなで!、、の割には内容が結構高度w
当時はもちろん、ちけんって何だろう? の世界だったが、落窪の側に立って読んでいる読者としては、その流れの方がいいしw、こういう時はそういうものなんだあ、、という漠然とした理解のもとに、ここを読んでいた!
ただ、ここは急に”法律解釈“みたいなものが出てくるシーンであり、ずっと記憶に残っていた。


現代でも大いにあり得るこれに似た揉め事の場合、(私は法律家でないので知識はないが)両者の言い分や事情はあっても、結局、遵法主義ということになるのだろうネ。そのための「地券」(証書)でもあるのだろうし、、。一見、冷たくもあるかもだが!
まあ、出来るだけそんな局面の当事者にはなりたくないねえww


この場面で、最も印象的だったのは、中納言から訴えを泣きつかれた左大臣
一方の当事者たる息子との、両者の言い分を聞くため、案件を「一旦引き取るところ」と、「ちけん」を根拠に、裁定を下す公平さと冷静さに、クーッ痺れるね!


思うに、「眠れる森の美女」オーロラが眠っている間に、周りがああこう片付けるところにも似た、落窪の君の周辺である!
落窪の君は、色々な場面で、少しペシミスティック寄りの人と思われるが、性格がすーごく良くて、いじめた人(中納言の奥方、継母)に対しても恨みは抱かないお人好し!
お陰で、落窪の代わりになって、中将や読者が思い入れて戦っていくハメになるのよね〜!
でも、性格がいいゆえに周りに守られるお姫さまって、好きかも♡