先日、用事で日本橋に出向いた折、高島屋の上階からエスカレーターで降りて来ると、左前方の「襲名記念 樂吉左衛門展」という墨字の文字が目に飛び込んできた。
学生の頃、茶道会というサークルに所属していて、京都合宿の時、樂茶碗で有名な樂美術館を皆で訪問したことがある。その際、先代(第15代当主)樂吉左衛門さん直々に、ご説明をいただいた。今回の第16代ご襲名は、その息子さんに当たる。時の経つのは早いものだ。何とも感慨深い。
第15代吉左衛門さんはお会いした当時、まだ30歳代でご襲名まもない頃だった。私たちに、歳が割と近かった親近感もあったが、何より、年下の私達に対して、とても丁寧に接していただいたことが強く印象に残っている。
評するのはおこがましいのだが、まだ若く感受性が高かった我々なりの当時の感想を素直に書かせていただくと、吉左衛門さんの物静かな佇まいに、堅い芯とご誠実なお人柄が滲んでいて、深みがあって、とてもステキな方だった。
このブログ内では最大級の賛辞なのでお許しいただきたいが、思えば、次元の渋さもあったなぁ♡
後に目にしたインタビュー記事によると、伝統を継承するお立場ゆえのご自身の中での葛藤や、それに向き合う覚悟と研鑽など、人知れぬご努力があられたようだ。作陶と真剣に向き合われてきて今日があるのだと感じ入る。
今回の第16代襲名ご挨拶文に、先先代(第14代)のお言葉、
「伝統とは踏襲ではない、己の時代を生き、己の作品を生み出さなければならない」
が紹介されていて、これは、「ルパン三世」の継承にも通じているなと、しみじみと思った。
ご挨拶文からひしと伝わる、第16代のご決意と真摯なお人柄。
ご立派なお父様の薫陶を受け育まれた、第16代吉左衛門のお力を信じて疑わないが、どうぞ、ご自分の味わいを乗せて、これからのご活躍に声援を送ります。ご襲名おめでとうございます。
(余談!)
入り口には、各界からの沢山のお祝い花が届けられ、樂吉左衛門さんのご人徳が忍ばれたが、その中に、中田英寿さんからの綺麗なお祝い花を見つけ、個人的には感激!歴代の日本人サッカー選手の中でも、とりわけファンなのでネ!
サッカー好きの息子たちにこの話をしたら、「本人に会ったのかと思った」って言われてしまった!そんなに声、弾んでたかなあ?ww