ルパン三世 & something

ルパンを語って微笑みを届けたい  他にも気ままに綴ってます♡

“笑い” 、、、薔薇の名前 by エーコ / 「100分de名著」


ウンベルト・エーコ作「薔薇の名前」は、映画化されていて、初代ジェームズ・ボンドショーン・コネリーが怪演している。
不可解な連続殺人と禁書を巡り、謎解きをしていくミステリー映画だ。
この映画は最初から最後まで一貫して、暗くてグロくて、万人受けはしないが(おそらく)玄人が好みそうな作品だ。


薔薇の名前」は、TV番組「100分de名著」でも扱われ、和田忠彦先生の詳しい解説のお陰で、一見不気味なこの映画が興味深いものへと変わった。
ネタバレになるが、本作での禁書とは、アリストテレスの「詩学」の“笑い” の項目だった。中世ヨーロッパのキリスト教カトリック厳格主義派にとって “笑い” とは、快楽や堕落、信仰への弊害で、厳禁だったのだ。


私の学生時代のゼミの卒論テーマは、「ギリシャ、スコラ哲学、ガリアーニにおける社会・効用思想」という、自分でもわかったようなわかんないような?長い題名をつけたもので、それでも自分なりに調べたりしたものだった。
経済学部のゼミのT教授は、近代経済学と経済学方法論の二本柱で研究をされていたので、ゼミ員の卒論はそのどちらを選んでもよく、私のような数学苦手なタイプは、消去法的に後者に流れ着くわけだった!
流れ着かれた「方法論」の方こそ、苦笑だよねw
教授の研究室に、きれいに製本・保管されていた歴代の卒論は、退官の時に個々のゼミ員の手元に返され、「うわっ」と苦笑! 懐かしさと共にネ。

ただ、遠い昔に調べたきりのアリストテレスが、ルパンの作品に始まる今回の一連のテーマ “笑い” に通じて来るとは! 
何につけ、若い時にご縁は付けておくものだ。


他方で、「笑いとは攻撃である」という説もあり、これは、前回の笑いのオススメとは、また観点が違うね。
一言で “笑い“ と言っても、お薦めされたり禁じられたり、許されたり許されなかったり、、。


それこそ、“笑い” とは、結構難解な哲学的テーマで、ここにきて、新たな卒論取組中という感じだ。