セロニアス・モンクのジャズの名曲「ラウンド ミッドナイト」の邦題なぞ見たこともないが、訳せば「真夜中の頃」とでもなるか?!
ハタチ前後にエレクトーンでこの曲を初めて弾いた(いい楽譜があったので)。この曲は、トーンがずっと暗く(この表現は本当は避けたいのだが)、当時の年頃には持て余す感じさえしたな。でもカッコよくて、決して嫌いなわけじゃなかった。後にモンク自身の演奏を聴いた時も、想像以上に「ハア〜、暗いよ!渋いなあ。」という印象で、やっぱり難曲だなと実感したものだ。
この夜中に夜明けは来るのか?最後の数音に微かな希望は見出せなくもないが、、。どんな心境でこれを作曲したのだろう、測り知れない(人生に)何かがあったのだろうか? など、若さ一杯の当時の自分には想像力に限りがあった。
エレクトーンの恩師山口先生曰く、「たとえばMジャクソンなどの、歌手の有名な曲は演奏会では避けた方がいい。絶対、オリジナルは超えられないから。」とのことで、同感 (もちろん、ごく一部の演奏者に例外はあるが)。
歌詞はないがこの曲なんかもそうで、「モンクの完成形のこの曲はアレンジするのは無理」とジャズメンが語るのを読んだことがある。これまた同感。
ただ、自分で楽しむために弾くというのはアリだろう。
思うに、この手の渋い曲を本気で演奏したいなら、忍耐力のような体力と平常心みたいなものが要求されると思う。地唄三弦の「残月」などの古曲もやはりそうで、演奏にはそれなりの気合が必要だ。(本当は聴く側にも要求されるんです!「ルパン三世」のテレスペの中でも「ワルサーP38」などの作品は、テレスペの中ではこの種に該当し、視る側にも覚悟が要るよね!)
持論だが、演奏者は、自分のその時の心境を曲にもたれかかせて弾いてはダメだと思う。その曲にかなり入れ込んではいても、どこか冷静な面があった方がいい。だから、自分が何かで気が滅入っている時などは、色々な意味でこんな深い曲は弾くのを避けた方がいいと思う。
酔い潰れたパフォーマンスは、いただけない!
エレクトーンも三弦も、その先を目指せばキリがないが、ある時点で一応自分なりに納得がいったことと中途半端がイヤなもので、育児中は封印。今は子供は手が離れたが、結局未だ再開ならず、、サビついてしまった!
でもいつか弾こうと思って復活する時は、このような難曲よりは、やはり「ルパン三世」テーマ曲をエレクトーンで、景気よくいきたいネ! 貸スタジオで
も借りて♡