ルパン三世 & something

ルパンを語って、微笑みを届けたい  ルパンが好きな人も、これからの人も、たくさんルパンを楽しもう!

「血煙の石川五ヱ門」と「父親殺し」


この作品で、化け物みたいに強いホークに一回は敗れた五ヱ門が、後半で、大きなホークの幻影を見ては苦行する中、己の弱い部分と向き合っていくところは、途中からもう、父親と息子の関係に見えてきた。(もっとも、モラハラとして息子の前に立ちはだかる父親の場合は言語道断だけど。)
精神科医の樺沢先生も説かれているが、どのような場合も、この克服は心理学で言うところの「父親殺し」に当たるだろう。この作品を、思春期の息子が、圧倒的権威の父親を乗り越えようとしてもがく姿として見ても、最後までアリだった。また、映像でも、鮮やかな配色のホークの巨像が何度も立ちはだかり、モノクロ単色の着物を着た五ヱ門を圧倒して苦しめる。
このような切り口から見ても、よく描かれている作品だと思う。


五ヱ門が、火や水の荒業に絶食で挑む姿を、ルパンと次元は見守る。次元の方が気が気じゃない様子だったが、ルパンの方は、結構、腹が据わっていた。それは差し詰め、母親の立場に似ていた。こんな時、母親は結局大したことはしてやれず、ただ見守るしかできない。
辛いが、「見守るも修行」となる。


むき出しの阿弥陀仏と四天王が見守る中、何かを体得した五ヱ門は、最後にホークに勝った。自力で乗り越えたのだ。ここで、(父親たる)ホークを本当に殺しまではしなかったことも良かったと思う。


息子は、精神的に「父親殺し」を果たして、こうして大人になっていくのだろう。