ルパン三世 & something

ルパンを語って微笑みを届けたい  他にも気ままに綴ってます♡

面従腹背 時に生きるのはつらいよ!

ショスタコーヴィチ「革命」第4楽章ラスト部分
スターリンの恐怖政治時代、ショスタコーヴィチは、その才能に目をつけられ、政策を鼓舞する作曲を強いられる。断れば粛清なので、ギリギリのところで折り合うしかなかった。しかし、本物の芸術家にとって、自分の作風を指図されることは苦痛なことだ。この曲のラストは、ティンパニを執拗に鳴らし続け、他の楽器が大方鳴り止んでいっても尚も最後まで打ち続ける。何かの意思を告げている。カッコいい曲だ。一説に、この太鼓の音は、スターリンの棺の釘打ちをし続ける音の暗喩だという。私はこの説に一票だ。ルパンED曲「Destiny Love 」のところでも書いたが、ある種の曲は、背景のエピソードを知ってから聞くと味わいが増すものである。中国では、前漢時代の司馬遷が、宮刑を受けても「史記」を書き続けることを採ったのと似ている。
いずれも、特に激しい時代と場所に生まれ落ち、面従腹背を選んだ天才達の苦悩だ。

タモリ倶楽部空耳アワーで「コロッケ トマト イクラ」と聞こえる傑作がある。実は、空耳の面白さとは正反対の体制批判、哲学的な歌詞だったように記憶しているが、「ソ連のこの反体制派シンガーソングライターは、生前、陽の目を見ることは遂になかった」のようなことを安斎さんが語っていた。このシンガーのように、一方であくまで反抗し潜伏する一生を送った人もいる。

ルパンファミリーは、それぞれに圧倒的な技術がある上、もともとアウトローで生きるのを選んでいる人達なので、これらの範疇ではないけどね!