青龍の青は、青春の青、青年の青。
彼の若いエネルギー、ピュアな青い魂を、敵はもてあそんだ。
青龍と五ヱ門、兄弟弟子が敵味方になる定めを、2人は受け入れ闘うが、敵は、2人まとめて「処分」しようとした。
最後の刹那に、その陰謀を悟った青龍が採った判断は、背中で一身に銃弾を受け、弟分の五ヱ門をかばうことだった。
そこからラストまでの五ヱ門には、静かなる凄みがあった。
「安寿と逗子王」の安寿の、重大な決意をした後の寡黙さに似る。
「無駄な殺生はせん」が信条の五ヱ門に、もう、その考えの入る余地はなかった。
斬鉄剣が、水平に真っ直ぐに車ごと敵を裁いていく。
それが五ヱ門の最後の判断だった。
静謐にして壮絶な幕切れだ。
青いが故に謀られた、宿命のふたり。
ふたりは互いを思い、最後の、最善の判断を下した。
苦しみから解き放たれた青龍は今、青い龍神となって、風を切り、身をうねらせて天空を自由に泳いでいるだろう。