(前回に引き続いて、雑誌「銀座百点」より)
元NHKアナウンサー、山川静夫さんの「十二代目團十郎の思い出」のエッセイの中で、「義経を守るという強い意志を持つ弁慶」を演じるくだりに、
「男というものは、強くなくてはほんとうのやさしさは生まれぬもので、強い男はやさしい。」
というのがあった。これには大いに納得した。
私がルパンファミリーに惹かれる ”わけ“ に、お墨付きをいただいた気分だったからだ。おかげで、自分でも、なぜにここまでル次ゴに惹かれるのか、の一つがわかった。
山川氏は歌舞伎をはじめ諸芸百般に通じていらして、以前から尊敬しているが、彼の、人間への審美眼は鋭いので、この謎解きは嬉しかった。
逆に、「人は、強いだけでなく優しさも必要」というのは、ハイハイ正論っていう感じでよくありがちだ。だが、「やさしさには、そもそも強さを必要とする」と言い切ってくださるこの主張は割に珍しいのだが、山川氏だからこその説得力がある。以前、私がルパンの魅力を語ったところで、似たような私見を述べたような気がするが、やっぱりそれで良かったんだと思った!
強さといっても、威張る強さのことじゃないよ。
この説での強さって、フィジカルの要素が強いと思うんだ。
ルパン達も、よくその時の「連れ(パートナー)」を抱き抱えて逃げるというのがあって、このブログでもそれをタイトルにして語ったこともある。
こういうところにル次五の強さが表れているし、すごいのは、彼らはそれをやり切る体力まであるんだよね〜。
「強い」からやさしくもなれるル次ゴが束でやって来れば、そりゃいいよね♡
こう考えると、強くてやさしい魅力的な人を目指すのって、とっても大変だね!!